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  • 2014.06.25

【インタビュー】テスラは泣かない。心の内面を鋭く描く新進気鋭 頭脳派ロックバンド

地道なライヴ活動や各ロックフェスに出演し、確かな存在感を磨き大きくし続けてきたロックバンド、テスラは泣かない。が遂にメジャーデビュー。6月25日に1st Album『TESLA doesn’t know how to cry.』を発売する。“冷めた狂気”ともいえる彼らの音楽は、他の何者でもない孤高の輝きを持って、体を興奮させ、脳を刺激する。ロックを愛する多くのリスナーに聴いてほしい作品だ。新しい驚きがたっぷり詰まったメジャーデビューアルバムについてインタビューした。 

文/大西智之

「涙を流すことは、何か意味があるんだろうなとずっと思っている」

――メジャー1stアルバム『TESLA doesn’t know how to cry.』ができました。何をここに詰められたと思いますか。

村上学 おそらく、聴き手の感情を揺さぶるものであることが僕たちの音楽のアイデンティティだと思うんですね。全曲通じてそれを感じてもらえるだろうし、ここに収録した10曲でテスラは泣かない。の音楽性や世界感が伝わると感じています。

吉牟田直和 攻めの1枚になりました。しかもドラマティックで物語が見える1枚にもなっていると思います。

飯野桃子 聴き流せない曲ばかりで最高の1枚になりました。テスラは泣かない。らしい曲だけじゃない、新しい面もしっかり見せられる1枚だと思っています。

――新しい面というと?

飯野 はい。前作の『Anderson』で1曲、クラムボンのミトさんにプロデュースしてもらって気付くことがあったんですね。だから今回は全曲ミトさんにお願いして。自分たちの引き出しが増えたし、前に進めた感じをヒシヒシと感じました。レコーディングまでに成長してきたものをパッケージしたというより、成長しながら録れた1枚になっていると思います。

實吉祐一 昔の曲と新しいものが5曲ずつ入っていて、これまでの良さもあるし、新しいところにも挑戦しているし。これからテスラがどうなっていくんだろう?というのを匂わせる1枚になってると思います。

――ちなみに詞が先にできるんですか?

村上 曲が先です。僕がまず曲の原形を持ってきて、飯野と曲の中心になるピアノのリフを詰めて。バンドでアレンジしつつ、歌詞を付ける、という感じですね。

――新曲5曲のうちの1曲、「Cry Cry Cry」は、どういうところからできたのでしょう?

村上 この曲はいつもの出来方とは違って、<Cry Cry Cry Cry>って飯野が叫んでいるフレーズが先にでたんですよ。僕が歌っていたら気付かなかったんですけど、女の人が<Cry Cry Cry Cry>と叫ぶことで産声みたいに聴こえて。赤ちゃんが産声を上げる、その涙を流す作業を経て、新しい世界が開けていくっていう、世界感が湧いたんです。

飯野 村上から曲が出てきて、リフが耳に残るし、これは面白い曲になるなと思って。二人でピアノのリフをもっと豊かなものにする作業をしました。さらにバンドで煮詰めると、最初のデモの雰囲気からまた変わっていったんです。

吉牟田 デモの時は全体として暗いイメージだったんですね。でもリフと、“Cry”のラインが飛び抜けて良かったし、訴えてくるものがあるからいいものになる、っていう感覚でいて。ベース的には、リフに合わせてハマるものを作ろうと思っていたのと、Aメロのピアノのリフが細かいから、そこはベースも細かいフレーズをやったら面白いんじゃないかな、と試してみつつ。

村上 ピアノのリフとベースが喧嘩しないラインを探して。どっちも際立つ感じになりましたよね。

――はい、1番Aメロのベースは攻めてますね。それが2番Aメロではベースが鳴っていないわけですが、それがフックになっていますね。

吉牟田 それはミトさんから教えてもらって形にできたことです(笑)。僕らにはどのパートも聴かせたいし、詰め込みがちだったんですが、音楽を引き算で作り上げていく、だからこそ際立つっていう。

實吉 ドラムに関しては、いつもはちょっと変わったアプローチを考えるんですけど、この曲はデモでサビの<Cry Cry Cry Cry>というフレーズを聴いて、ストレートに8ビートで叩いてみようと思いました。

飯野 あと、私はデモを聴いた時、一番に、テスラが泣かない。というバンドが、“Cry=泣く”をテーマにしたことがいいなと思いました。

――泣くことの意味、それが差すものを捉えていますね。

村上 涙を流すことは、生まれた時から身に付いているもので、大人になった今でもできることですから。何か意味があるんだろうなとずっと思っているんです。それに対する自分なりの答えを歌詞にしてるんです。その答えが、カタルシス的なもの。要するに、涙を流すことが、感情の解放で。涙を流して、気持ちをフラットにして、行き詰まった場所から抜け出す。その鍵になるんじゃないかなって。大人になると、みんなが涙を流さずに頑張っているけれど、一回全部出していいんじゃないかなっていう提案を歌詞にしました。

――涙を流すことってありますか?

村上 僕はわりとありますね。なんでもいいんです、悲しい時でもうれしい時でもね。

――このアルバムの中に入れ込むことができた、新しい面を象徴するのはどこでしょう?

村上 「めんどくせえ」もそのひとつです。ピアノのリフレインに頼ってきたところを、敢えて他の楽器で構成してその個性を出したり。そういうところに、テスラは泣かない。はこれから化けていくんじゃないか、っていう要素を散りばめることができたと思います。

――ピアノってこのバンドの個性ですよね、そこをあえて引く。

村上 そこに固執せずにもっと自由に音楽をやっていくっていう可能性を見つけることができたなって。

飯野 抽象的でいろんな捉え方ができる、でも村上に意味を聞いたら、納得したり気付いたりする歌詞が多いんですけど、「めんどくせえ」はわかりやすい男女の世界で。そこを出せたのも新しさだし。「シャドウ」は演奏の中に無茶苦茶キメのポイントがあって、それはミトさんとやらなければ格好いいと気付けなかったかもしれないところだし。新しく発見したところですね。

「生きていく上で、時間が進む以上、前に進んでいかなくちゃいけない」

――テンションの高い曲の中に、「Arc」というしっとりした曲もありますね。

村上 僕たちの中では、珍しくクリーントーンの楽曲ですね。これも泣くっていうことについて歌っているんですよ。「Cry Cry Cry」が疾走感の中で、対して「Arc」は映画のBGMで鳴っているような静かな視点から同じテーマを見詰めているんです。

――「シャドウ」のメタファーとしての“シャドウ”が差すものもしかり、多くの曲の歌詞に、村上さんならでは、ある哲学が入り込んでいるなと思うんです。

村上 そこは大事にしています。一歩一歩前に進むための方法論について、僕なりに考えた結果を言葉に起こしているんですね。生きていく上で、時間が進む以上、前に進んでいかなくちゃいけない。それが“泣く”ということだったり、「Lie to myself」なら自分に嘘をつくってことで。

――「Someday」の後半、リーディングというか言葉を詰め込んだパートに、<もう少し先まで行ってみないか>というラインもありますしね。

村上 はい。ステージに立って音楽をやる以上は、僕らには発言力がありますから。曲を聴く前と後で、その人の思想を左右させる力はあると思うんです。そう考えた時に、人をネガティヴにさせるのは非常にナンセンスだと。……言葉のチョイスは暗い感じがすることもあるんですが(笑)、聴いた人が前を向けるものでありたいなと思っています。

――では最後に、メジャーというフィールドでこれから目指したい姿、もしくは、忘れずにいたいものを教えてください。

村上 自分も知らない自分らしさがまだまだあると感じているんですね。そこに目を向けて、どんどん可能性を広げて、どんどん殻を破って、僕たちにしかできない音を貪欲に妥協せずに出していきたいです。殻を破ることはインディーズでもやっていたと思うんですけど、メジャーという場所にきて、聴く層も広くなることで、より意識するようになりました。

飯野 ここが嫌だとか、こうしたいってことを言い合っているから、4人で曲を仕上げるのにすごく時間がかかるんですよ。その分、4人の納得いくものができた時の感動、興奮が大きくて。それは、私が加入した頃からメジャーに来ても変わらないんですね。それをずっと続けていくことで、道が開けていけばいいなって思いますし、あの興奮する感覚は持ち続けたいです。

吉牟田 僕は風通しがいい人たちが好きなんですよ。ギュッと入り込んで求める音を追いかけることもありつつ、それでいながら、風通しのいい音楽でありたいんです。メジャーにきて、意見をくれる人も増えて、その分、心に余裕を持つというか、窓を開けておくべきだと思うんです。人間性とか心の持ちようって音に出てきますからね。

實吉 世の中には流行の曲がありますけど、僕らの音楽はそこに左右されることなく。10年経っても20年経っても、いいなとリスナーに思ってもらえる曲を書いていきたいと思っています。

――何十年経ってもいいと思える音楽を作る上で、大事なものって何だと思いますか?

村上 自分に嘘をつかなければ。僕という人間は他にはいないわけで。そういう存在が4人も集まって、本当に自分というものを見詰め、自分に嘘のない音を出してあげれば、必ず他に似ない音楽ができるハズなんです。だからそれができれば10年、20年続けようが自分たちは廃れないし、廃れない曲を作れるでしょうし。そこを怠らないことだと思います。

吉牟田 テスラは泣かない。って、“こういう曲を書こう”とか狙って作るんじゃないんですね。村上が自分の内面のドロドロしたわけのわかんないところに潜って潜って拾ってくるものが曲の原形になるんですよ。それに対する審美眼が4人にはあって、これは輝くものだっていうジャッジメントがしっかりしているんです。それに沿って、あとは磨くだけだっていう。それが出来た瞬間が、飯野が言ってた、興奮に繋がる。それがしっかりしていれば、10年経ってもいいものであるんだろうなって思います。

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