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  • 2014.06.05

aiko最新アルバム『泡のような愛だった』の魅力を全曲レビュー付きで徹底解剖!

オリコン週間アルバムランキング(6/9付)では初登場首位を獲得したaikoの最新アルバム『泡のような愛だった』は、10枚目のアルバム『時のシルエット』から約2年ぶり。『まとめI』『まとめII』をはさみ、9thアルバム『BABY』からは2年3か月というタームが空いた前作には、“変わっていく日々のシルエットを刻みたい。一日一日をもっと必死に過ごしたい”という想いとともに、“私がいま、伝えたいことをちゃんと言葉にしたい”という気持ちが込められていた。その気持ちは、今作でも変わらないどころか、より増してるように感じた。

その想いが最も顕著に現れているのは、言葉数の多さだろう。彼女は“詞先”の作家である。伝えたい言葉を書いたあとに、メロディに歌詞をはめていくのだが、リード曲「明日の歌」をはじめ、メロディラインに収まりきらず、言葉が溢れ出している箇所が随所に見られる。言葉数の多さという点ではインディーズ時代〜デビュー直後に作った楽曲(例えば、「Do you think about me?」など)に近いが、その歌声には、16年間、数多くのステージを重ねてきた強さと自信、軽やかさがあり、「言いたいことがいっぱいあんねん!」という無尽蔵の若さと勢いだけではなく、日々を大切にしているからこそ、いま、言わないといけないことがこれだけある、という切実さも感じられるようになっている。

アルバムのタイトルには“後ろ向きな瞬間がたくさんあっても、いつかはそれを笑い飛ばせる日がくるだろう”という想いが込めれられているという。“愛だった”と過去形になっているが、おそらくまだ吹っ切れてないのだろう。初回限定仕様のジャケットには、後ろを振り返って少しだけ口角をあげているaikoがいる。この微妙な表情にも、過去を振り向きがちな自分だけど、笑顔で前を向きたいという、明日への願いが込められているように思う。また、通常仕様盤は波打ち際で飛び跳ねる彼女の後ろ姿が見える。タイトルの“泡”とは、優しくて丸い愛のことだろうが、波打ち際の海の泡のように、儚くて消えていってしまう時間や日々も表現しているのではないだろうか。ニュアンスとしては、1stアルバム『小さな丸い好日』にも近いのかもしれない。終わっていくもの、消えていくもの、移ろいゆくものへの感傷と、その終わりの予感が呼び起こす刹那の今への愛おしさ(切なさ)。だからこそ、今日より明日をよりよくしたい、大好きな人と大切に過ごしたいんだという、願いよりも決意に似た気持ちが、近年の大きなテーマになっているのではないかと思う。

文/永堀アツオ

<全曲レビュー>
01「明日の歌」
aikoが♪あ〜つい、という歌い出した瞬間、その力強さに心がぐっと掴まれるオープニング曲。特筆すべきはサビの言葉数の多さと早口具合だが、<これはあなたの歌 嫌なあなたの歌 誰かが鼻歌であの雲の向こうまで 笑い飛ばしてくれますように>というフレーズからは、ライヴで観客全員で合唱している風景が思い浮かぶ。

02「染まる夢」
好きになってしまった“あなた”としたいことばかりで染まってしまった夢を見続ける罪悪感を歌ってる。“あたし”が罪悪感を感じているのは、おそらく“あなた”とは前からの友人で、“あなた”の過去の彼女も知ってるから。それでも止まらない想いがサイケデリックに広がっていく、アップテンポのロックナンバーとなっている。

03「Loveletter」
2013年7月、デビュー15周年記念日にリリースされた30枚目のシングル。両A面仕様の1曲目に収録されたロックチューンで、<ではさようなら>で終わる歌詞のテーマはタイトル通り“手紙”。メールでもLINEでもなく、紙に向かって、相手のことを思いながら、自分の文字で書く手紙をモチーフにしているのが彼女らしい。

04「あなたを連れて」
聴き手ひとりひとりの心に真っすぐに語りかけているような距離の近さを感じる、切ないバラードナンバー。結局、人はひとりぼっちなんだ、誰ともつながれないんだと諦観し、甘い夢や懐かしい思い出に閉じ込もってしまった “あなた”をどうにかして、自分が傷ついてでも現実に連れ出したいという切実な想いが歌われている。

05「距離」
ずっと昔から知ってる大切な友達を好きになってしまった苦しさと、どうしようもないジレンマが主題。長い友達という二人の距離を近づけたらこの関係性は変わってしまうのか。それが怖くて一歩を踏み出せないが、自分の気持ちに嘘はつけない。<あなたの笑った顔が好きだよ>と思わず繰り返してしまう最後のサビがたまらない。

06「サイダー」
アルバムタイトルを連想させるが、ここで歌われているのは“少し気の抜けたサイダー”。おそらく、しばらく放っておいてしまったのだろう。炭酸の泡の勢いはなくなっている。逆さにして振っても戻らず、ただ甘さだけが残っていて……。恋ではなく、はじめて愛を感じさせてくれた人のことを思い出しながら聴いてみて欲しい。

07「4月の雨」
キャリア初の配信リリースのあと、30枚目のシングルに両A面仕様で収録されたミドルバラード。aikoには時節柄や年中行事を歌った曲が少なかったが、この曲と「卒業式」は明確に春の出逢いと別れがテーマになっている。<どこかで同じ時を生きている>あなたとの絆、今でも変わらないあなたへの想いが明日を生きる勇気をくれる。

08「遊園地」
カントリーとスカを混ぜたようなアップテンポのナンバーで色彩に満ちた言葉からはじまるのだが、歌詞は失恋直後のヒリヒリした想いを描いている。なにも言わずに出ていった“あなた”との柔らかい、泡のような愛でいっぱいだったはずの思い出を握りつぶして、窓から捨てる。抱きしめてくれたときに左肩を噛むという表現がリアル。

09「透明ドロップ」
ギターアレンジが突出したバンドサウンドが多いのも本作の特徴のひとつ。4つの異なるツアーを開催した昨年のライヴが充実していた証しであり、次なるツアーを見据えたものでもあるだろう。歌詞は失恋し、暗闇に落ちていた“僕”が、ようやく立ち直り、明日を見据えて顔をあげる瞬間が描かれている。しかし、最後の2行は……。

10「君の隣」
ファンへの感謝の気持ちと、全国各地のライヴに足を運んでくれるひとりひとりの隣でずっと歌い続けたいという決意が込められたミディアムナンバー。<いつだって君が好きだと小さく呟けば 傷跡も消えて行くの>や<螺旋描いて 渦に潜って二人になれたら>というフレーズは、大好きで大切なファンに向けた彼女の本音だろう。

11「大切な人」
アコギとピアノを基調にしたハートウォーミングなミドルバラード。イヤフォンから聴こえてきた曲を契機に思い出した“たったひとりの大切なあなた”から久しぶりに電話がかかってくる。思い出や記憶がもたらす甘さと寂しさ。忘れたいけど忘れたくない、忘れたくないけど忘れたい葛藤が描かれている。2番のコーラスも新鮮。

12「キスの息」
いわゆる“aikoらしい”メロディライン、アレンジ、歌詞が詰まった弾むポップナンバー。好きな人との初めてのキスを忘れないように、炭酸水が沁みるくらい強く下唇を噛む主人公。その痛みが、泡のように消える夢じゃなく現実であることを明日も教えてくれる。そんなキスをした直前の息を感じる、距離の近さにドキドキする。

13「卒業式」
デビュー以来初めて“卒業式”をテーマに書いた、切なくも温かいバラードナンバー。学生時代、優しく笑い合えた日々、あなたの涙が連れてきた青春の終わり……。この曲を聴いていると、卒業式はもちろんのこと、式が終わったあと、友達といつもの場所で「またね」と別れた瞬間のことを思い出し、懐かしく優しい気持ちになるはず。

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