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  • 2019.11.27

【ライヴレポ】シド、『SID TOUR 2019 -承認欲求-』ファイナル公演開催!「来てくれたみなさんへのお返しの気持ちを込めて」と新曲「delete」披露!!

9月からスタートしたシドの全国ホールツアー『SID TOUR 2019 -承認欲求-』。11月21日に東京国際フォーラムホールAで迎えた、追加公演であり、ツアーファイナル公演では、また新たな扉が開かれたように思う。

今回のツアーの軸となるのは、SNS全盛の今という時代を象徴する“承認欲求”という言葉を冠し、2年ぶりにリリースしたアルバム『承認欲求』。場内が暗転すると、ステージを覆う紗幕に“あなたをあなたと認めてくれるものは何ですか?”“僕たちは 誰ですか? あなたは 誰ですか?”と問いかける言葉が、次々と映し出されていく。投げかけられたメッセージによって、受け手それぞれが考え、想像することができるこの演出はアンコールに至るまで挟みこまれたが、そうした試みに滲むのは、バンドの表現欲だ。

歌詞を映す紗幕の向こうで丁寧に歌い、奏で始めたのは新しいシドを表す「承認欲求」。<愛して もっとぼくを見てよ 苦しい もう見ないで>という葛藤、その上での<時代のせいだとしても ぼくらの時代だ>という力強い意志。どうしたって心が動く。

紗幕が上がり、ピンク色のライトがステージを艶っぽく染めたのは「see through」。「承認欲求」ですっかり見入っていたオーディエンスだったが、マオや明希の身振りにつられて大きくクラップ。マオが「いくぞ!」と雄々しく叫んだ「螺旋のユメ」では、ゆうやがどっしりしたビートを繰り出す中、Shinjiが躍動し、明希がベースを高く掲げる姿も。Shinjiのファンキーなリフや明希のスラップが映える「MUSIC」では、マオがステージセンターのお立ち台から「最初っからトバしていけるよな!」とけしかけ、彼がマイクを向ければオーディエンスも大合唱。これぞシドのライヴ!な一体感も健在だ。

一転、Shinjiの爪弾くアコースティックギターの音色が切なく、美しく響いたのは、ケルト音楽の雰囲気をたたえた「手」。徐々に熱を帯びていく演奏、マオが今は亡き祖父との思い出を重ねて書いた歌詞が、音源に増して胸を打つ。また、浄化力の高い「淡い足跡」然り、少ない音数で勝負できるのは、結成からの16年でしっかりと培ってきたバンド力があればこそ。

「ここに来てくれたみなさんへのお返しの気持ちを込めて、この日のために新曲を作ってきました」というマオの嬉しい言葉が導いたのは、初披露となったドラマティックで熱量の高い「delete」。最新アルバムを携えてのツアーで“さらにその先”も見せてしまうとは、バンドの進化スピードには本当に驚かされる。

そのままの勢いで「Trick」になだれ込んだかと思うと、ゆうやもステージ前に出てきてカホンやウィンドチャイムを鳴らし、アコースティックで届けたのは「ポジティブの魔法」。自分を見つめながら歌うマオに笑顔を見せるゆうや。マオの次の標的にされ、目が合わないようにくるりと背中を向けたのに肩に手を回されてしまう明希。ずっと欲しがっていて、ようやく<信じてる>と名前にかけてマオに歌ってもらい嬉しそうなShinji。“音楽”という言葉通り、自由に音を楽しむ彼らは、やはり魅力的だ。

MCでは、ゆうやの誘導(!?)でShinjiが実は歌詞を覚えていないのでは疑惑が生じたり、マオがメンバーの曲を愛しすぎていることを明かして明希がマオファンに好かれようとしたり、ついつい止まらなくなってしまうおしゃべりでも沸かせる4人。結成16年にして仲良しが過ぎるところも、素敵ではないか。

久々の「青」に続き、鮮烈な赤いライトに彩られたのは「Blood Vessel」。あくまでキャッチーに仕上げながらもアレンジは複雑というところが実にシドらしい。

狂気を漂わせる「プロポーズ」、パンキッシュな「park」とたたみかければ、オーディエンスはヘドバンしたり、座席があってもモッシュしたりと、マオに「心の炎がさらに燃える!」と言わせるほどの盛り上がりぶり。前へ進むだけでなく、シドは昔からの楽曲、昔からのファンも変わらずに大事にしている。

15年で辿り着いた境地「その未来へ」から、本編最後のナンバーは3拍子の壮大なロックバラード「涙雨」。紗幕に浮かぶ、涙のように流れては消えていく歌詞の言葉たち。魂を込めた歌、音。それは、息を飲むような圧倒感だった。

またまた止まらない4人のトークで始まったアンコール、1曲目は不思議な高揚感と中毒性が際立つ「デアイ=キセキ」だ。マオとShinjiと明希が並んで揺れ、ゆうやも合間に踊る一方、オーディエンスもサビで全力コール&クラップ。改めて、『承認欲求』という作品の多彩さ、ステージと客席で作り上げていくライヴの醍醐味も思い知ることに。

なんとShinjiが1階客席通路へも足を伸ばした「循環」、明希が「跳べ!」と煽った「エール」と散々昂らせて、「最後に同じ色をまとってこのライヴを終わります」というマオの言葉から、「君色の朝」へ。「失敗をずっと嫌ってきた自分がいたけど、ここにきて失敗も成功に近づくための大きな一歩ととらえられるようになった」というマオから生まれた言葉たち、その想いに共鳴する音魂は、シドとファンをしっかりと繋ぎ、確かに育っている。

「シドって熟成すればするほどおいしくなっていくバンドなんだろうな」

『承認欲求』のインタビューで、そう言ったマオ。今回のツアーは、その言葉を裏付けるものにもなったと思う。そして、16年を経てなお、可能性が広がり続けているシドという奇跡は、これからも様々な色の花を咲かせてくれるはずだ。

写真/西槇太一 文/杉江優花



<セットリスト>
1.承認欲求
2.see through
3.螺旋のユメ
4.MUSIC
5.2月
6.手
7.淡い足跡
8.罠
9.delete
10.Trick
11.ポジティブの魔法
12.青
13.Blood Vessel
14.プロボーズ
15.park
16.その未来へ
17.涙雨
-アンコール-
EN1.デアイ=キセキ
EN2.循環
EN3.ドラマ
EN4.エール
EN5.君色の朝


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