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  • 2019.02.09

【インタビュー】稲垣吾郎「グループを解散して新しい地図を立ち上げたことも、特別なことではない」 “半世界”を精一杯生きたからこそ見えてくるもの

映画『半世界』にはグローバル対ローカル、もしくは人生の折り返し=半分など、様々な意味の“半世界”が描かれている。そこで稲垣吾郎が演じるのは不器用で無神経な39歳の炭焼き職人。いわゆる“田舎のおじさん”だが、予想外の馴染みっぷりに誰もが驚くはず。本人も「新たなスタート地点に立った自分にふさわしい役」と言っており、その心境に至った経緯、そして新しい地図スタート時の想いなどを飾らない言葉で率直に語ってくれた。

文/若松正子

芸能界で生きる自分もまた“半世界” 作品を通して感じたもうひとつの世界との繋がり

――稲垣さんは都会的な役のイメージが強いですが、『半世界』で演じるのは田舎の炭焼き職人・高村紘。ニット帽を被って炭を焼く姿が新鮮でした(笑)。
稲垣 確かに、僕は都会的な役やちょっと特殊な役、あとはヒール役とか、普通の人をやっていないですからね(笑)。でも紘は、不完全なところも含めてすごく人間味溢れる人物。しかも、その魅力に気付いていなくて自分に無関心なんですよ。これまで基本、ナルシストな役が多かったのでそういうところも新鮮だったし、僕自身、新しいものに挑戦したい時期だったのでこれ以上ないくらい自分にふさわしい役だと思いました。
――ちなみに香取(慎吾)さんも映画『座頭市THE LAST』で阪本順治監督と組んでいますが、今作について何か話はしましたか?
稲垣 香取くんからは阪本監督とお酒を飲んでいるって話をよく聞いていました。でも、彼ってテレビとかでも言っていますけど、仕事相手とは連絡先とか交換しないタイプじゃないですか(笑)。そんな香取くんが心を開いてプライベートまで仲良くするのは珍しいので、僕の中では阪本監督に対して父親みたいなイメージが勝手にできていて。実際、お会いしたら人間力があり、不器用だけど優しさに満ち溢れている方でしたね。
――『半世界』もまさに不器用だけど人間力のある人達が出てくる物語。そこに触れ、演じた感想は?
稲垣 これまでファンタジーの世界にいすぎたかなって思いました(笑)。10代からこの仕事をやってきて守られている部分が多かったから、雲の上から下を見下ろしていたのかもしれない…。ってそれは冗談だけど、生まれ育った土地でしっかりと根を張って生きる“半世界”もあるんだなと。こういう役をやることで人に対しての興味も出てきました。
――これまでは人に興味がなかった?
稲垣 なかった気がするし、今もそういう部分はあるんだけど、僕がいるところはある意味、特殊な“半世界”じゃないですか。でも、この作品を通して市井の人に触れ、その世界との繋がりを感じられたんですよね。

「通じ合っている者同士が手を取り合って行けばなんとかなる」新しい環境に飛び込んだ心境を語る

――紘は人生の分岐点である39歳という設定でしたが稲垣さんはその頃、どんなことを考えていました?
稲垣 僕は今45歳ですけど、39歳の頃は忙しくて年齢のことを考える余裕なんてなかった気がする。実際に“40”って文字をプロフィールで見たときはそういう年になったのかって思いましたけどね(笑)。ただ、この映画には人は誰しも明日何があるのか、どこが人生の分岐点になるかわからない。だからこそ今を精一杯生きるしかないってメッセージも込められていると思っていて。だから『半世界』っていうタイトルには実はいろいろな意味があるんだけど、僕自身は新たなスタート地点に立ったタイミングでこの作品に出会えて本当に良かったし、共鳴する部分が多かった。観ている人にも役を通して僕本人が透けて見えてくる部分があると思いますよ。
――「新しいスタート地点に立った」ことで、稲垣さんも紘のように先の見えない不安なり希望なりを感じていた?
稲垣 僕は元々、不安を抱えて生きる人ではなくて。グループを解散して新しい地図を立ち上げたことも、特別なことではないといつも思っているんですよ。だって、社会的な影響は大きかったかもしれないけど、例えば転職される方なんてもっと大変じゃないですか。それに比べたら僕、会社は変わっても職業は変わっていないですからね。
――確かに(笑)。
稲垣 もちろんここ2〜3年は激動だったし、0からのスタートなので不安もありましたけど、どこかで“なるようになる”って開き直っている部分もあって。これまではグループに対してどう貢献していくかってことをいちばんに考えていたけど、新しい環境になることで自分の皮が1枚剥がれるというか。ひと皮むけて新たな自分を表現することができる。それは俳優としてすごくいいことだなって期待もあったんですよね。
――期待通りでした?
稲垣 それはもういい状況に。ありがたいことに2018年は3本の映画と、舞台を2本やらせていただいて、役者としてこんなに豊かな1年を送れるとは思っていなかった。“通じ合っている者同士が手を取り合って行けばなんとかなる”っていう気持ちでスタートしましたけど、そこから1年たちファンの方もついてきてくださって、今のところは楽しくやらせてもらっていますよ。
――2019年の展望は?
稲垣 もっと仕事をいっぱいやりたいです。やっぱり仕事で充実感を得て、楽しんでいる瞬間に勝るものってないですから。それがないときの埋め合わせとしてプライベートがあるのかなって思うくらい仕事が好きなので、2019年もこのペースで続けていきたいです。

 

 


【作品情報】
映画『半世界
2019年2月15日(金)公開

出演:稲垣吾郎 長谷川博己 池脇千鶴 渋川清彦
竹内都子 杉田雷麟 小野武彦 石橋蓮司
監督・脚本:阪本順治
音楽:安川午朗
制作・配給:キノフィルムズ
©2018「半世界」FILM PARTNERS

<STORY>
とある地方都市。そのまたさらに郊外に暮らす高村紘(稲垣吾郎)とその妻・初乃(池脇千鶴)、息子の明(杉田雷麟)の家族は、父から受け継いだ山中の炭焼き窯で備長炭を製炭することを生業としている。中学からの旧友で、自衛隊員として海外派遣されていた沖山瑛介(長谷川博己)がある日、何の前ぶりもなく町へ帰ってきた。どうやら瑛介は、妻子と別れて故郷にひとりで戻ってきた様子。紘は、同じく同級生で中古車販売を自営でやっている若井光彦(渋川清彦)にも声をかけ、十数年ぶりに3人で酒を酌み交わす。翌日、廃墟同然だった瑛介の実家を掃除し、住める状態にする3人、海外での派遣活動で瑛介が何か心の傷を負ったのでは?それが妻子と別れ、故郷に戻ってきた原因になったのではないかと感じる紘と光彦だが、直接聞くことも憚られ、どうすることもできない。紘の息子・明は、反抗期の真っ最中で、どうやら学校でイジメも受けている様子だが、紘はそれに頓着していない。「おまえ、明に感心もってないだろ。それが、あいつにもバレてんだよ」。鋭いことを光彦に言われハッとする紘。数日後、「オレの仕事、手伝えよ」。過去から脱却できずにいた仕事のない瑛介を巻き込んで一念発起する紘。紘の仕事ぶりを見て驚く瑛介。これまで感じたことのない張り合いを感じ始めた紘。そんな父を見る明の目にも変化が現れかけ、それは何もかも順調に向かい始めているように見えていた…。



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