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  • 2014.10.01

【インタビュー】河村隆一 向き合ったのは自身のルーツ 原点を見つめて生まれた意欲作

結成25周年を迎えた日本を代表するロックバンド・LUNA SEAのボーカリストであり、ソロアーティストとしても幅広い層に知られている、唯一無二のシンガー河村隆一。彼の最新ミニアルバムが10月1日に発売される。Concept RRRを軸に、『never fear』とタイトルされた本作は、Rock・Roots・Ryuichiという“トリプルR”をテーマにしたコンセプトアルバムで、独自のロック色が強く出た作品だ。どんな曲であれ、声を聴いたとたんに“河村隆一”とわかる個性は、普遍の色気を放っている。“改めてロックと向き合った”と語る本能のボーカリストにインタビューした。

文/杉江由紀

「今作は、敢えてLUNA SEAのRYUICHIを踏襲しながら作ったもの」

――10月1日にリリースされるミニアルバム『never fear』は、Rock・Roots・Ryuichiという“トリプルR”をコンセプトにした、テーマ性の強い作品へと仕上がったようですね。

河村 僕はもともとロックをやるところから音楽を始めて、今では年間を通して「No Mic, No Speakers Concert」(マイクもスピーカーも使わない生の音だけのコンサート)
があったりだとか、大人がお酒や食事を楽しめるような会場でのライヴや、ディナーショーなんかもやったりもしているし、常にいろいろなチャンネルを並行して確立しながら活動をしていきたい、と思っているんですよ。ただ、そういう中で今年はちょうどLUNA SEAの結成25周年という節目を迎えたんですよね。まさにこのアルバムは、その真っ最中に作っていたということもあって、自分にとっては改めてロックと向き合っていく場になりました。   

――この作品の中で、隆一さんが重視されたのはどんなことでしたか。

河村 まず、ソロとして最初に出したフルアルバム『Love』(97年発表)のことを思うと、あれはLUNA SEAとは全く違う河村隆一をみせたくて作ったものだったんですよね。その点、今回の『never fear』は敢えてLUNA SEAのRYUICHIを踏襲しながら作ったものだと言えます。つまり、『Love』とは真逆のアプローチをとった作品なんです。あそこから一周ずっと廻って来て、またここで原点に戻ってきた感じなのかもしれない。

――なるほど。今の言葉と『never fear』のサウンドを重ね合わせてみると、Rock・Roots・Ryuichiで今回なぜ“トリプルR”のコンセプトに至ったのかがよく分かります。

河村 サウンドの面でいえば、今回もっともこだわったのはアレンジでしょうね。たとえば、「小さな花」と「かけがえのない宝物」は最初このアルバムに入っているものとは全く違うアレンジで、happilyという写真館に提供していた曲たちだったんですよ。その2曲に今回はそれぞれロックアレンジを施して、レコーディング仕直したんです。

――それでいて、「小さな花」も「かけがえのない宝物」も決して武骨な仕上がりにはなっていませんよね。生き生きとしたロックのテイストは守りながらも、そこには温かさや優しさが溢れていて実に素敵です。

河村 そこはちょっと逆説的かもしれないけれど、この2曲には自分のこどもや次世代を担っていく人たちに対してのメッセージを込めてあるんですよ。ビートルズでいえば、ポール・マッカートニーがジョン・レノンの息子にあてて作った「Hey,Jude」みたいな感じというのかなぁ。ロックっていうと反社会的な歌や、恋愛的なラヴソングを歌うことがわりと多くなりがちですけど、僕にとっては次世代を生きていく人たちへの夢を歌っていくことも、大切にしていきたいことなんです。

――それだけに、それぞれの歌にはしっかりとした説得力がこもっているのですね。

河村 まぁ、中には「taboo」のように少しエロティックで「ワルさしちゃおうぜ!」みたいな雰囲気の曲もありますけどね。でもあれも、「君にとってのタブーは君が限界だと思っていることでしかなくて、臆病にならなければそこは侵してしまっても全然構わないんじゃない?」ということを言いたくて、書いた詞だったりするんですよ、実は。

――と同時に、臆せず前に進むというその姿勢は、今作におけるタイトルチューン「never fear」からも強く感じられます。

河村 これは新劇場版『頭文字D Legend 1-覚醒-』の主題歌ということで、主人公が早朝の峠を走っているようなシーンをイメージしながら作った曲でしたね。炎でいえば激しく燃える赤い火ではなく、ここで燃えているのは静かな青い炎なんですよ。

「恐さを打ち破りながら生きていたいから、ロックをやっている」

――車といえば、隆一さんはレース参加をされたことがあるほどのクルマ好きでいらっしゃいます。この曲の中に漂う疾走感や清々しさは、そんな隆一さんでなければ表現出来ないものなのでしょうね。

河村 僕は土屋圭一さんとか、プロのレーサーの方々とも仲良くさせて頂いているんですけど、サーキットで横に乗せてもらうことがあったりすると、そういう時に感じるのは、とにかくプロのドライバーがいかに冷静沈着に運転しているか、ということなんです。きっと、『頭文字D』の主人公、拓海くんの隣に乗った時も車の中は静かで揺れないんだろうな、と思います。恐れるという気持ちが、やっぱり人間にとっては一番のリミッターになるんですよ。

――アルバムのタイトル自体にも『never fear』という言葉を冠した理由は、どうやらそのあたりにありそうですね。

河村 怖いという気持ちは、自分にブレーキをかけてしまうし、自分を緩めてもしまう。でも、僕は怖さを言い訳にはしたくないし、そこを打ち破りながら生きていたいからこうしてロックをやっているし、ずっと音楽を続けているんですよね。その気持ちを言葉で表したのが、この『never fear』なんです。

――なお、LUNA SEAのツアー中に作られたという今作では、「長い夜の終わりに」で真矢さん、そして「愛の唄」ではSUGIZOさんとこれまた真矢さんがレコーディングに参加していますね。

河村 「愛の唄」は、最初LUNA SEAのために作った曲だったんですけどね。プリプロでSUGIちゃんもギターをたくさん重ねてくれていたし、せっかくなので今回は「あの時の音をそのまま使わせてくれない?」って頼んだんです。真矢くんにもオファーを出して、「長い夜の終わりに」を録ってもらいつつ、「愛の唄」もドラムは録り直してもらいました。

――“トリプルR”の真髄は、この「愛の唄」で特に顕著に感じられるような気がします。

河村 10代の何も分からなかった頃から、真ちゃんのドラム、Jのベース、INORANのギター、SUGIZOのギター、4人の出す音たちに埋もれないように僕は歌ってきたし、自分のルーツは絶対的にそこにあるんですよね。このアルバムでは、そうやって培ってきたビート感や歌を、とてもニュートラルな形で作品にすることが出来たと思います。

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