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  • 2014.09.27

【ライヴレポ】UVERworld、誠果の誕生日を激熱ライヴで祝福 ツアー折り返し地点で放った不変の気合

■“この特別な日のライヴが普通で終わっていいわけないだろ?”

「サポートでやっていた約8年間が報われた夜になりました」 

全ての演奏が終わった時のことだ。ステージセンターに設置されているステップに誠果が乗り、オーディエンスに向けて、シンプルな、その分とても気持ちのこもった言葉を放った。フロアから万雷の拍手が贈られる。その反応に彼は笑顔を見せ、そしてメンバー、スタッフが待つステージ袖へと向かっていった。

2014年9月25日、川崎CLUB CITTA’。
8月後半から始まった『Ø CHOIR TOUR 2014-2015』の12公演目。このツアー自体は年をまたぎ1月10日まで続くが、今夜を終えると、1か月強のインターバルがあるという節目の日。そして、今年の3月27日に正式メンバーに復帰した誠果の誕生日でもある。開演予定時間から少し過ぎた6時48分。フロアの電気が消され訪れた暗闇の中、青いライトが動き回り、高揚感を煽り立てていく。客席からは手拍子が起こる。

眩いばかりの照明が浮かび上がらせたのは、ドラムセットについた真太郎と、ステージギリギリの位置で一列に並んだ、TAKUYA∞、彰、誠果、信人、克哉の姿。
「今から世界の中心はここ、川崎CLUB CITTA’だ!」
TAKUYA∞が叫ぶ。ズンと体に響くリズムを真太郎が打ち鳴らし、緑色のレーザー光線が飛び交う。オープニングナンバーは「ナノ・セカンド」。ヒリヒリとしたスリルと体を突き動かす快楽が同居したサウンド、傷を厭わず目指すべきゴールに進んでいく覚悟が宿った歌が響く。一列に並んだままの5人と、その後方、一段高い位置のドラムセットに座る真太郎と。この6人で進んでいく、その意志がオーディエンスを飲み込んでいく。

克哉が体を“く”の字に折りながら、ギターを掻き鳴らす。TAKUYA∞が両手でマイクを鷲づかみにしながら声を張り上げる。間奏で吹かれた誠果のテナーサックスの音色は、曲に深みを与えていく。赤、緑のレーザー光線が飛び交う中、彰がギターを高々と挙げる。

3曲目の「Don’t Think Feel」の頃には、信人の上腕に汗が張り付き、ギラリと照明を反射させている。ビリビリと伝わってくる6人の気合。それは “この特別な日のライヴが普通で終わっていいわけないだろ?”と言い放っているようだ。

「UVERworld史上最高のライヴを迎えに行こうぜ! 綺麗なまとまった音楽はCDで聴かせてやるからさ。ヤバイもの、ここにしかないものを観せてやる。UVERworldにしかないものを見つけてここに来たんだろ!?」

TAKUYA∞の煽りから入った、「Enough-1」。信人がハジくアップライトベースの弾んだリズム、聴いているうちに祭り囃子を連想させられるピッコロのループ、そしてゲストミュージシャン、Yun-kanが吹くディジュリドゥの音色が、“楽しみ”という感情をダイレクトに刺激する。そんな潜在意識に訴える、プリミティヴな音楽要素をロックに昇華したサウンドに場内が揺れる。川崎CLUB CITTA’はスタンディングのライヴハウスであるが、天井は高い。にも関わらず、ジメッとした空気が充満している。オーディエンス一人ひとりがかいた汗が気化して漂う、その速度に空調が全く追いついていないのだ。

この湿度も、ライヴという場所ではテンションを更に上へと導く要素である。流れ落ちる汗をぬぐいもせず、TAKUYA∞が話をする。
「デビュー当時、川崎CLUB CITTA’でライヴをしたことがあるんだ。当時はデカく感じたし、うまくいかなかったから、きっと観てた人はUVERworldの未来に絶望したと思う。でも今日は違う。やっと6人になったんだから」
数年ぶりに帰ってきたここCLUB CITTA’は、自分たちの成長と、それに伴って付いた自信を確認する場所でもあるのだ。

ドラムセットと場所を入れ替え、誠果のブースがステージセンターに設置されていること以外、明確な形での打ち出しはなかったが、中盤の差し掛かり、ついに真太郎がそのことを口にする。
「今日、9月25日は──浅田真央ちゃんの誕生日です。絶対真央ちゃんに届いてる。…本日は、誠果さん聖誕祭になっております。略しまして、“せいかんたい”です」

彼らしいユーモアを交えた紹介に、改めて場内が沸く。そして、“ユーモア”とそれを組み込める裏付けになっている“余裕”“自由さ”が、今のUVERworldのライヴを高みへと牽引している片輪だと感じさせられる時間が、中盤から後半にやってくる。残りの片輪は、全力でぶつかる熱だ。

■声を合わせて歌う全ての人に幸せを注いだ、最後の合唱

まず、十分に上がった室温を超越し、すさまじい“熱”が渦巻く瞬間が訪れる。曲は「GOLD」。TAKUYA∞が客フロアの中に進み出る。ステージより一段低い高さの出っ張りが設けられていたわけだが、そこで歌う彼と、共に声を重ねながら伸ばした手をリズムに合わせて振るオーディエンス、両者の本気がぶつかり合い融合していく。その光景は、ステージと客席がボーダーレスであることと、ここにいる全ての人が最高の時間を作っている、そのために欠けてはいけない存在であることを象徴していると感じさせる。

これに続いた「誰が言った」のラストのセクションでは、ワルツに展開したリズムに合わせて、それを踊るペアのようにTAKUYA∞と信人が向かい合って手をつなぐ。さらにはそこに誠果も加わる。このユーモラスな演出は、“ロックとは”“UVERworldのカッコ良さは”とか、いろいろ考えたくなる想いを木っ端微塵に打ち砕く。気持ちを軽くしてくれる。そこに流れ込んでくる「Kickが自由」。遊び心溢れるサウンドと、<言うの忘れてたね1番の歌詞はこの曲とまったく関係ない>なんて歌詞が、心を弾ませる。そして、そんな柔らかくなった心だからこそ、この曲の最後にくるメッセージが深部に達し突き刺さる。

とことん自由に、とことん真剣に音で遊ぶ。そしてとことん懸命に生き、それらをそのまま投影して楽曲を作り、ライヴでその瞬間飛来した感情を剥き出しで演奏し、歌う。そんな姿に、そんな音楽に。僕たちは自分を重ねて“一般から外れてるけど、この生き方で間違ってないんだ”と力をもらったり、時にどん底から引き上げられもする。

「ここがターニングポイントだ。俺らはライヴをその場で作ってる。クルった音楽を聴きたいやつどれだけいんだ?もう休ませてくださいってヤツどれくらいいんだ?」

TAKUYA∞の投げかけに、オーディエンスの選択はもちろん、クルわせてくれる曲だ。誠果が吹き鳴らすエッジの立ったアルトサックスのフレーズが切り込んでくる。曲は「LIMITLESS」。極上のリズムを糧に、オーディエンスは踊り、跳ね、拳を振り上げる。 まだ上へ、まだ上へ……。世界に数多あるライヴハウスの中で“瞬間最大熱量のナンバーワンはここだ”と思える領域へと貪欲に突き進む6人と観客たち。幾度となくTAKUYA∞が客フロアの中に入って歌う。彰、克哉、信人、誠果が立ち位置を変えながらアンサンブルを構築する。真太郎はスティックを振り上げて力の限りドラムを叩く。観客は時にクラップでリズムをとり、楽曲を奏でる一部となる。ふと、呼吸感が希薄なことに気付く。深く息を吸っても酸素が入くる気がしない。でも、この中にいる今は、その感覚はとても心地いいものに思えた。

ライヴはあと1曲を残すのみとなっていた。「最高」と誠果が言う。TAKUYA∞が「誠果は、高校の時、バイクのエンジンをバラバラにして、組み立ててっていう意味不明なことをやってたよな。そんなヤツがこんなにいっぱいの人におめでとうって言われるんだよ」と話し、そして「心を素っ裸にして話せる友達が100人、200人欲しいと思う」と続けてから、こう言った。
「今日は幸せでした」──。

これはメンバー6人の、スタッフの、そしてオーディエンス一人ひとりの。今夜のライヴを作った全ての人の想いの代弁のように思えた。

「チケットをとれなくて、でも誠果を祝いたくて会場の外に来てるヤツもいるんだ。そいつらに聞こえるように合唱してもらっていいですか?これが始まりの合唱」

そんな言葉に導かれた「Ø choir」。不幸や憎しみを幸せと愛に変換する、そんな魔法がかけられた歌と、それらを飲み込む大きく強い演奏が川崎CLUB CITTA’いっぱいに響く。それに合わせて一人ひとりがありったけの力と想いを込めて歌う。きっと今、会場に入れなかった人も歌っているだろう。

この最後の合唱は、幸せに満ちていて、そして今声を合わせて歌う全ての人に幸せを注いでいる、そう感じた。

文/大西智之

関連リンク

公式サイト
ソニーミュージック公式サイト
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