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  • 2015.08.13

【ライヴレポ】aikoがツアー最終日にトリプルアンコール!ひと夏のアバンチュールに打ち上げた花火!!

アーティストが歴史的なブレイクスルーを達成した瞬間を目撃したかのような興奮と感動があった。aiko live tour『Love Like Rock vol.7』(通称LLR)の最終公演。aikoは、デビュー17周年にして、また新境地を見た想いがしただろう。また、aikoだけでなく、バンドメンバーや、Zepp Tokyoに集まった観客たちもみな、それまでに経験したことのない新しいものを見たという感覚を覚えたはずだ。その“新しさ”をなんと表現すればいいのか、まだ言語化できないのだが、限界を突破した先に、これまでに見たことのない景色が広がっていた。日々のあれこれに悩んでいたもやもやも吹き飛び、どこか生まれ変わったような気持ちにさえなった。体は汗でべとべとしているし、胸は高揚感でいっぱいになっていたが、同時に爽やかな気分でもあった。

今年の4月18日から8月11日まで約4か月間。全国7都市25公演に渡って開催された約1年半ぶりのライヴハウスツアー『LLR 7』。週末2日間連続での公演もあるため、セットリストはA、Bと2パターン用意されて、ツアーが進むにつれて、微調整もされた。Aパターンのオープニングは「舌打ち」でど頭から『LLR』ならではの盛り上がりを感じられるアグレッシブなロックナンバーだが、この日はBパターンの「雨が止む」。場内が暗転し、「嘆きのキス」のインストが流れる。黒い緞帳が下り、紗幕にツアータイトルが映し出され、やがて雨が降り出す。<もうすぐ雨は止む>と繰り返すドラマティックなロックバラード。サビ前で一瞬の静寂があり、aikoがすっと息を吸い込んだ瞬間に紗幕も下り、ピンスポットが照らされる。始まりは、あんな結末が待っていようとは想像もできないくらい、静かなムードだった。

ライヴの前半は、近年のaikoの心境を反映した内容となっていた。バンドサウンドを土台に、畳み掛けるような言葉数の多さで切実な想いを綴ったロックナンバーが中心となっていた。アルバム『泡のような愛だった』に収録されていた「染まる夢」「透明ドロップ」に、初参戦の観客も口ずさめるヒット曲「ボーイフレンド」や「milk」を全力で歌い上げ、アクレッシブにパフォーマンスし、観客のハートを揺さぶった。彼女のライヴハウスツアーは血湧き肉躍る魅力があり、暴れずにはいられないくらいの熱情を焚きつけられるのだが、それは、いわばいつもと変わらない光景だ。今、振り返ってみると、バンドのテンポがちょっといつもより速いような気がしたとか、スタンドマイクで歌ったブルース「ボブ」をはじめ、この日のaikoはいつも以上に全てを吐き出すようなロングトーンを見せていたなという気がしないでもないが、その日、その場で、今日は少し雰囲気が違うと感じたのは、恒例のコール&レスポンスからだ。  

この日のaikoは、「男子!女子!そうでない人!」に対する観客のレスポンスのスピードに満足せず、「もっと食い気味できて!!」と煽っていた。そのあとの2曲が圧倒的だった。最新シングル「夢見る瞬間」でのスイング感。そして、「あたしの向こう」のグルーヴ。スクリーンに映し出されたaikoは、大きな口を開けて笑顔で歌っていたが、そこには、ここで全てを出し切るんだという、後先のことを考えていない、まるで青春のような輝きがあった。観客も一緒に燃え尽きる覚悟ができていただろう。続く「運命」ではミラーボールが回り、レーザー光線が行き交う中、会場が地鳴りを起こし、キラキラの金テープが舞った「ジェット」で熱気は最高潮に達した。aikoは、観客の「暑い」という声に応え、「暑かったな。たまらなく興奮しました。ありがとうございました。最後まで一緒に、しっかり疲れて、しっかり楽しんで、しっかりアホな時間を一緒に作りたいなと思います」と語り、「ここで一緒に思い出を作って。今年の夏は、ここの、Zepp Tokyoでやった花火を思い出に過ごせたらと思います。この思い出、絶対に忘れないでください!」と絶叫し、最後に「花火」をエモーショナルに歌い上げた。

思えば、aikoは変化を望んでいたのだ。15周年を過ぎた頃から「変わりたい」と口にするようになっていた。ロックアルバム『泡のような愛だった』は過渡期の作品であり、アレンジャーに新たにOSTER projectを迎えた「あたしの向こう」からサウンド面では、間違いない変化が起きていた。アンコールでは、「あたしの向こう」のカップリングに収録されたパワーポップ「ドライヤー」と、「夢見る隙間」のカップリングで、これまた新アレンジャーである川嶋可能を迎えたビートロック「未来を拾いに」に続き、初期の激情ロックナンバー「恋愛ジャンキー」をハードに歌い、こう呼びかけていた。

「すごい最終日をみんなに作っていただきました。みんなの顔をひとりひとり見ながら歌っていると、ほんとちゃんと頑張らなあかんなってめっちゃ思うし、もっともっとみんなに会いたいなって、歌っていてずっと思いました。ほんまにもっと頑張らなあかんねんって思う。諦めることはすぐにできるけどね、頑張ることは終わりがないなってすごく思うんです。だから、やっていて、立ち止まってしまったり、後ろを振り返ってしまうこともあるけど、ここにくるとそれが全部リセットされるんですよね。ほんとに、もっと頑張るしかないなとしか思えへんというか。そういう時間をみんなが作ってくれます。弱音も吐きあって、傷も舐め合って(笑)、一緒に頑張っていきましょう。そうやって、ちょっとでも笑う時間が多かったらええなって、すごい思うんです」

アンコールが終わり、スクリーンには、エンドロールが流れ始めた。BGMは最新シングルのカップリング「さよなランド」だが、すでにLLR7に参戦していた人は違いに気づいただろう。他の会場ではaikoのボーカル入りだったが、この日はインスト。違和感を感じるや否や、生のバスドラの音が鳴り響き、センターステージにはいつの間にか彼女の姿があった。<笑って泣いて さよなら 思い出して じゃあまたね>と、お別れと再会の約束を歌うロックワルツ。ライヴでは初披露となるビックサプライズに、観客は拍手喝采を送り、ダブルアンコールの2曲目であるサマーソング「帽子と水着と水平線」でツアーの幕は閉じるはずだった……。「すごい最終日」はこのあとに姿を表した。

客電がつき、アナウンスが流れてもなお、観客からのアンコールの声が鳴り止まない。ドアが開き、帰路につくお客さんも出る中、まさかのトリプルアンコールが実現。aikoは「客電がついて、SEが鳴って、アナウンスが流れても、aikoはみんなの声が強ければ帰ってくるんですよ!」と叫び、バンドメンバーとの曲目の相談を経て、さらに大きな声で「よし!すごい時間にするからな!!」と雄叫びをあげ、立て続けに3曲も演奏した。花道を全力で走り、お客さんとハイタッチを繰り返した「愛の病」、客席から大合唱が起きた「鏡」、そして、最も盛り上がるライヴの定番曲「be master of life」。約3時間。aikoのライヴでは3時間超えもざらだが、それは、お客さんとの会話や、お題に曲で答えるメンバー紹介を含んだものだ。全25曲というのは、『Love Like Rock』史上最多の曲数である。彼女は最後に、「こんなにすごい時間に連れてきてくれて、ありがとうございました。初めての経験をありがとうございました」と感謝の気持ちを述べて、ステージをあとにした。

aikoは、この日のトリプルアンコールをもって生まれ変わり、新たな地平と立ったのだ。それが、今後の活動にどのような変化をもたらすかは現時点ではわからない。だが、正体不明の殻を破り、見えない壁のようなものを突破した瞬間に立ち会えたことは幸運だと思う。こんな体験ができるからこそ、ライヴに足を運ぶことがやめられないのだ。

写真/岡田貴之 文/永掘アツオ

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