• ミュージック
  • 【ライヴレポ】VAMPSのツアーがついにファイナル!HYDEが日本の“BLOODSUCKERS”の偉大さに感極まる
CONTENTS
Home
  • ニュース
  • 2015.06.04

【ライヴレポ】VAMPSのツアーがついにファイナル!HYDEが日本の“BLOODSUCKERS”の偉大さに感極まる

5月31日、さいたまスーパーアリーナにて、VAMPSがツアーファイナル公演を行った。掲げられたタイトルは『VAMPS LIVE 2015 “BLOODSUCKERS”-FINAL-』。同会場2daysの2日目であり、昨年10月に発表した約4年ぶりのアルバム『BLOODSUCKERS』を引っ提げてやってきた、“籠城型”ライヴハウスツアー、全米ツアー、そしてアリーナツアーのひとつの集大成となる。

開演前、客席の多くの電気が消された場内では、大音量でBGMが流れ、ピンク、グリーン、オレンジ……と色を変える照明が高揚感を煽っていた。広大なアリーナはブロック分けされたオールスタンディング。スタンドには席があるものの、埋め尽くした観客はすでに総立ちだ。ステージ奥の壁に設置された巨大なスクリーンには恒例のデジタル表示の時計が、“特別な瞬間”までの時を刻んでいる。17時、その時計が“16:60”の表示になる。開演まで5秒前。客のカウントダウンが始まる。そして“6:66”になった瞬間、アルバムのオープニングナンバー「REINCARNATION」の、流麗なピアノの音色が響き渡った。

ミラーボールが反射させた光が踊る。そしてステージに降りたライトがK.A.Zと、ギターを手にしたHYDEを浮かび上がらせる。タイトなリズムにジャキジャキとしたK.A.ZのギターリフとHYDEのセクシーな歌声が乗る。これに反応し、体の奥底から快楽が湧いてくる。毛穴が開き、汗が噴き出す。曲は「ZERO」、アルバムの中にあって“新鮮さ”を届けてくれたこのナンバーもすっかりVAMPSを形作るピースとしてハマり、強烈な武器のひとつになっていることに気付かされる。そして「LIPS」へ。照明によりステージが真っ赤に染まる中、K.A.Zが足下に設置されたステップに昇りギターをストロークする。ハンドマイクに持ち替えたHYDEが不敵にステージを低回。ガツン、と衝動の固まりが音となって殴りかかってくる。無敵で、激しくて、いかがわしい。VAMPSの核を凝縮した音楽をエネルギーに変え、観客が跳ねる。オーディエンスはHYDEがフロアにマイクを向けると声の限り、叫び歌う。炎が吹き上がった「REDRUM」では、再び照明により赤一色になったステージで、HYDEの瞳が妖艶なブルーの光を帯びる。K.A.Zがステージにしゃがみ込んでギターを掻き鳴らした。

聴覚と視覚を刺激するVAMPSの音楽と演出は、深く絡み合い、聴き手の脳裏に鮮やかな物語を描いていく。
「待ってた?悪い子になっていいからね」
そんなHYDEの煽りから入った「REPLAY」では、K.A.Zのタッピングによる繊細な音色が曲の世界観を描く。さらに、ステージ上の5人の頭上に“赤い光の輪”が出現し、現世ではない場所へと誘った「DAMNED」。HYDEの低く艶めかしい歌声がサビで叫びへと変化する中、バックのスクリーンに映し出された教会の窓を彷彿とさせるステンドグラスにノイズが入りその像がチラつく。そして続く「EVIL」で、ステンドグラスに描かれていたキリストが悪魔へと変わる(その様は、天界を欺いているようであり、黒ミサのようでもあり、さらには、死生観に直結しているようにも思えた)。

美しくも寂しげなピアノが「VAMPIRE’S LOVE」の旋律を奏でる。ステンドグラスの窓は柩へと変わり、そこにはバラが敷き詰められていた。HYDEが一輪のバラを持って歌い、K.A.Zがディレイをかけたギターを座り奏でる。歌とアンサンブルに滲むのは一人の人に捧げられる、純粋で、それゆえに哀しみをも内包した切なる想いだ。心を鷲づかみにするその音楽は、会場全体から歓声と距離感を奪っていく。閉じられる柩の蓋、そして一輪のバラが添えられる。最後の余韻がアリーナに溶けていった時、至るところから感嘆の溜息がもれた。

「GHOST」の後、HYDEが言う、「『BLOODSUCKERS』というアルバムはただの招待状。みんながここに集まってやっと完成する。もう十分馴染んだでしょ? 体の奥まで入った?」
その答えはもちろん、“YES”だ。後半に向け再び加速し始めたVAMPSが放つ極上の逸楽に、観客は身を投じ、それらをむさぼり、溺れていく。

一度ステージから捌け、ドラムソロから続いた「LOVE ADDICT」では、姿を現したHYDEとK.A.Zが向かい合ってギターを掻き鳴らす。その音は“楽しい”という感情に満ちていて、音楽で繋がる二人の絆を伝えてくる。そしてそこにある温かさが、熱が会場にいる一人ひとりに伝播していく。

その姿を見て、ふと想う。それぞれにキャリアを積んできたHYDEとK.A.Z。彼らはVAMPSという場所で、未だ体内に生き続けるロックキッズとしての憧れ、己の美学、音楽的実験を自由にやっていることは間違いない。でもそれはキャリアを積み成功を手にしたミュージシャンが自己満足のためだけにやっているわけではなく、カッコいい、最高だと信じている音楽を“伝えたい”と強く願っていることが一番重要なんじゃないだろうか?それは“伝えることへの飢え”ともいえるだろう。だからこそ、アルバム制作、アメリカでのツアー、もちろん日本でのライヴも彼らは真摯に取り組むし、先々で刺激を受けるしそれを糧に未だ成長を遂げる。何より音楽を、ライヴを楽しんでいられる。そしてその二人の熱に巻き込まれたオーディエンスは彼らを愛してやまないのだ、と。

モニターに、アルバムジャケットにも描かれていた女性が現れ、矢継ぎ早にたたみ掛けられるロックと共に場内を盛り上げる。そこに轟くVAMPSの音と歌は、1月20日に観た籠城型ライヴのときより、ハッキリとひとつに固まっており、説得力を帯びていた。

アンコール、会場の後方からバギーに乗って登場したHYDEとK.A.Zが、スモークを撒きながらアリーナを回り、そのまま曲に突入した「THE JOLLY ROGER」。その後、K.A.ZがこんなMCをする。
「アメリカを1か月間バスで廻ってきて。移動距離でいうと1日で北海道から九州まで、という行程が何か所もあったんだけど、そこでバンドメンバーといろんな話をしたり、時にはぶつかったりして、いいものを持って帰れたと思います。もっともっといいバンドになってみんなと一緒にこうやって遊べたらいいなと思っています」

その話をHYDEが受け、ライヴに参加した全てのファンを“BLOODSUCKERS”と呼んでから、言葉を紡ぐ。
「ここまで、楽しんでもらえたらアルバムも浮かばれると思います。……創って良かった。海外ではここにいるようなファンがいないことも多いんですけど、そのときにも君たちの力が活かされています。日本の“BLOODSUCKERS”に恥をかかせてはいけないと思うので、その分、僕たちは闘えるし、成長できると思っています。ありがとう」
噛みしめるようにゆっくり届けられたHYDEの言葉は、込み上げてくる想いに溢れ、揺れていた。それだけ飾らない二人の想いだと純粋に思えた──。

この音楽を伝えたいという願い、そして、常に二人の心の中にいる“BLOODSUCKERS”というファンの存在に対して、誠実に、VAMPSはまだ見ぬ未来、到達していない高みへと歩いていく。その直近の目的地は、8月22日、23日に千葉・幕張海浜公園内 BEACH STAGEで開催する『VAMPS LIVE 2015 BEAST PARTY』となる。

写真/岡田貴之、今元秀明、田中和子 文/大西智之

関連リンク

【ライヴレポ】VAMPSの籠城型ライヴがラストスパート!世界基準のパフォーマンスで魅せる夢想空間
【ニュース】VAMPSが全米ツアーをスタート!「今日はちょっと頑張り過ぎちゃったかな」
【インタビュー】HYDE(VAMPS)日本の聖地にロックスターが集結 ステージで魅せるオトコたちの戦い
【ランキング】VAMPS・HYDEが愛用中の新生活にあると便利なアイテムBEST3
RECOMMEND

【『VAMPARK FEST』2日目】VAMPS、憧れのニッキー・シックスとの共演に「泣きそう」 ロック史に残る熱い戦いのゴングが鳴る!

5月31日、さいたまスーパーアリーナにて、VAMPSがツアーファイナル公演を行った。掲げられたタイトルは『VAMPS LIVE 2015 "BLOODSUCKERS"-FINAL-』。同会場2daysの2日目であり、昨年10月に発表した約4年ぶりのアルバム『B . . . 続きを読む

CONTENTS

あなたへオススメの記事

注目記事

アクセスランキング

AdSense